一ヶ月程前のこと、
奥さんの甥っ子が小学校最後の運動会ということで見学しに家族三人、
はるばる平塚までドライブ。
甥っ子の運動会を見たあとは、夜遅くまで食事会。
話のネタが尽きたところでお開き、時間は23:00を回っていた。
車を運転していると奥さんが、
”ねぇ、寄り道していかない?”
”ん?”
”インディアンに寄って行こうよ!”
そうインディアン
何のことやら、俺は高校生からバイクに乗っている。
50ccのミッション 一番始めに買ったのは スズキの50γ
そのあとは、NS50F 始めての250ccは GF250
その後は、ヤマハ フェザー250
ビラーゴ400そしてGB250
イントルーダー400クラシック
goose350
sr400
サベージ400
zx-9r
沢山乗った。
あこがれのバイクはハーレー!!
ではなかった。
そう、インディアン indian!!
アメリカ最古のバイクメーカーだった。
あのフェンダー
他には無い!
唯一無二の存在。
steedにエスカルゴ!
そして、ドリフター
すべては、indianを目指したバイクだった。
洋服もindianが好き
バイクのミニチュアもindianが沢山部屋に飾ってある。
とある店で見つけ二度と買えないと人生初の大人買いをしたのだ。
ハーレー物は持っていない。ミニチュアはいつでも買える。
ハーレーに乗っていないのに、洋服は着れない。
でも、indianは乗りたくても売っていないのだ。
過去のバイクメーカーで、あるのはレストアをしなくてはならない年代物だ。
だから、堂々と着れるのだ。
しかし、数年前にインディアンが再発されたのを知った。
外見は王者の風格。
全盛期のインディアンに引けを取らない。
いつか乗りたい。
いや、一度でいいから見てみたい。
その思いを奥さんは知っていた。
深夜0時を回る頃にその店を見つけた。
反対車線から見えるバイクにガッツポーズ!
数台のバイクが見えた。
お店にはまだ明かりが付いていた。
右折を繰り返し店に着いた時には明かりは消えていた。
それでも、インディアンのバイクたちは光り輝いていた。
その中でも、一番奥に居た奴は、全身を革で武装し今にも走り出すと言わんばかりの
光を解き放っていた。
そのバイクを見たとたん。
腹のそこから何かが吹き出した。
心臓はドキドキを超え
身体が震えた。
このバイクに、沢山の革製品が付いていた。
写真は撮ることは無かったが、心に焼き付いた。
すると、”こんばんわ”
と後ろから声がした。
深夜0時を回り厳つい姿の俺が不審者に見えたのか?
”中に入いります? 電気つけますので中で見て下さい。”
振り返ると、スーツ姿で自転車を片手に笑顔の男性だった。
”いやいや、もう遅いですしここで大丈夫です”
その方は、indianの方だった。
たまたま遅くまで残っていて、帰りがけに俺らを見かけたそうで。
親切に声をかけてくれた。
そして、このバイクのことを教えてくれた。
このエンジンは一つ一つ一人の職人さんが組み上げて作っていること。
一日に5~10台程度しか作れないことや
3人の方が1台を生産して、最後に私たちが組上げましたとサインをしていること。
昨年、メーカーの資本が変わり生産ラインに変わり今年夏にフルモデルチェンジをするなど教えてくれました。
職人さんが作る手で組んだモデルはこれで最後になり少し残念だと語ってくれました。
手で組み上げたモデル。
高級車の一部は一人の人がエンジンを組み上げ、エンジンに自分の名前を刻印するメーカーがあります。
俺はそういう職人が好き。
自信を持って刻印をする。そんな男になりたい。
憧れたindian
憧れる職人魂
全てにおいて的を得た。
まさに、一目惚れだった。
夜も遅いので名刺を貰い。
ありがとうの挨拶をして、運転しながら奥さんと
熱い職人さん話と運命を感じる出会いに
興奮し帰路に着いた。
そして、翌日
俺はそこに居た。